【楽曲】Flower Travellin' Band - Satori Pt.1


以前調べ物をしていた時に偶然この曲に出会ってしまい、一発でノックアウトされてしまいました。70年結成の日本のロックバンド、フラワー・トラベリン・バンドの71年発表の楽曲です。


耳をつんざくような甲高い絶叫から始まる、特異で禍々しい強烈な演奏。当時アメリカやイギリスで台頭してきたサイケデリック・ロックハード・ロックが持つその芸術性や暴力性が、最もよく傑出されている好例の一つではないでしょうか。そしてそこに含まれている東洋的なセンスが、より一層このバンドの特異性を確かなものにしている最大の魅力だと思います。
一度聴いたら忘れられなくなる、ショッキングな音楽。これが71年という早い段階で、しかも日本から生まれてきたのだから凄い。逆に言えば、寧ろ日本人だからこそこうした音楽を作る事ができたとも言えるのかも知れませんが。とはいえ71年というと日本ではまだフォークソング全盛の時代、まだロック音楽というジャンルそのものが完全に一般に浸透したとは言えなかった時代だと言うそうなので尚更衝撃的です。


歌は全編英詩。考えてみれば70年頃の日本のロック音楽情勢というのははっぴいえんど等の登場を皮切りに、「日本語ロック」というそれまでになかった新しいロックのスタイルが提唱され、それまでの英詩でロック音楽をやっていたバンドとその立場を異にしていた時代で、まあこの辺の話は色々とめんどくさそうなのでおいておくにしても(興味ある人は「日本語ロック論争」で調べてみて下さい)、とにかくフラワー・トラベリン・バンドは英詩でロックをやるというスタイルでもって、日本以上に海外でその音楽が高く評価されたようです。
時代の事を考えるといくらか仕方のない所はあるのかもしれませんが、とにかくもっと多くの人に聴かれて欲しい音楽です。今一番CDが欲しいバンド。金があればなあ…(^o^)