【楽曲】夜叉ケ池 - 人間椅子


87年の結成以来、「『日本の』ドゥーム・メタルバンド」としてその唯一無二の世界観と文学的な音楽作品を生み出し続けている人間椅子の、初期の傑作ナンバー。
静かで荘厳な歌い出しから始まり、前半は日本的なメロディと怪しく幻想的なアコースティックギターの旋律に思わずうっとりしてしまいそうですが、中盤からの転調によって、熱く激しいメタルナンバーへと燃え上がっていきます。転調直前の三人のコーラスからはレッド・ツェッペリンの名曲「天国への階段」を彷彿とさせるような。7分間に及ぶ、ドラマチックで壮大なナンバーです。


タイトルの由来は恐らく文豪・泉鏡花の戯曲からでしょう。人間椅子の音楽にみられる感性豊かでユーモラスな歌詞の世界観は、様々な文学作品を題材にとる文学へのリスペクトが功を成しているものだと思われます。